5月28日に川崎市多摩区で通学途中の小学生など19人が殺傷される事件がありました。犯人が自殺し動機もわからないままであり、身近に潜む狂気に対してどのように身を守ればよいのか答えは見つかりません。
事件に対する報道も進む中、29日のテレビ朝日スーパーJチャンネルでは、犯罪学などを専門とする立正大学の小宮信夫教授が現場に出向き見解を述べられました。
まず、小宮教授は現場を歩きながら「どこにでもあるような通学路、住宅街。それほど危ない場所には見えない。人通りはあんまり関係ないんですね」
「犯罪は残念ながら主導権はいつも犯罪者側にあります。いつ子供に近づくかは犯罪者が決めることです」(防ぐ手立ては無いに等しい…)。さらに「常に誰かが歩いている道ってそうそうないです」(周りに人がいる環境を常にキープすることもできない)。
今回、狙われたのはカリタス小学校へ向かうスクールバスに乗車するタイミングだったが、文部科学省によるとスクールバスを利用する小学校の割合は2005年の8.5%から2015年度には15.7%に増加しているとのこと。無防備な子供達が集中する場面を狙うある種のテロ的な犯罪にどのように対処するのか課題を突き付けられることとなった。
「今回のケースで言うと犯人が子供に近づく前に警察官が現場に急行して職務質問して『あなた刃物をもっているじゃないですか』これしかないんですよ」と理想とする対応について話す小宮教授は、これを実現するためには事前に危険人物を特定する方法が課題と話す。「可能性があるシステムとしてディフェンダーXというソフトウェアがある」(小宮教授)。
ディフェンダーXは防犯カメラと連動し人の微細な振動から感情の変化を解析し不審者を特定するシステム。海外のデパートでの使用事例として入店する客が不審者として検知された場合に防災センターから各フロアに注意喚起する運用がされている。また、ある飲食店の映像では入店直後に検知した客がその後レジ強盗を働く映像も紹介された。
一方、事件を受け政府は緊急閣僚会議を開き、安倍総理は児童の登下校時の安全確保など対応策の徹底を指示した。
(※上記文章は、放送内容をエルシス東京で要約した文章となります。