エルシス東京が販売するディフェンダーXは、カメラ映像を通して人の精神状態を解析し不審者を検知することが特徴。検知を基に不審者に対して予防対策を行い犯罪を防止することができる唯一ともいえる防犯システムだが、広島県の警備会社が付加価値として導入したことが中國新聞で掲載されているので以下に紹介する。
警備会社リライアンス・セキュリティー(広島市中央区)は、防犯カメラの映像から不審者を検知する技術を施設の保安業務に導入する。先進技術で万引きなどを防ぐ効果を高め、他社との違いを出す。
活用するのは、カメラ映像から人の精神状態を推定するシステム。体の震動の回数や大きさなどから攻撃性などを判断し、不審者を画面上で赤く囲って示す。自社スタッフが携帯端末で画像を受信し、その人物に注意を払い、万引きや盗撮、異物混入などを防ぐ。夏ごろから、契約した小売店で順次展開する。
ソフトウェア販売元のエルシスジャパン(東京)によると、このシステムは2014年のソチ冬季五輪で観客入場の安全対策に使われた。不審者と判定された人の9割以上が、実際に薬物や酒類の所持などで入場を拒否されたという16年の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)でも活用されたとされる。地方の中小警備会社の導入は珍しいという。
非正規の従業員が多い警備業界。リライアンス社は従業員の定着を図って正社員化を進め、ITに強い人材も採用してきた。田中敏也社長は「付加価値の高い新サービスを賃金を上げる起爆剤にしたい」としている。
中國新聞 2018年1月25日16版 掲載